『人並みというもの』 太田靖久
『人並みというもの』
太田靖久 / 田畑書店 / 四六判上製 / 212P
真冬の雨、高架下トンネル、吹き溜まりの桜、水辺の光、冷たい風、清潔な雪。日常の風景に宿る彩りに人々は魅了されながら、「人並み」の境界線上で頼りなく揺れ続ける。忘れかけていた思い出がふいに襲ってくる。そのとき、ここには人生があるだけで、正しさも間違いもないと気づくのかもしれない。記憶にまつわる残酷な美しさを描く20の物語。
目次
王様か清掃員
父の予告
噓の顚末
それだけのこと
父の自転車と母の赤い車
追憶の打ち上げ花火
遅 配
逸脱と従順
一年に一度
路地奥の喫茶店
流れるプール
読み聞かせの手腕
水しか飲まない兄
息子の長靴
土俵際の夢
カラスの味
各々の嗜好
短いトンネルの先に
甘く匂う花々
影の聞き手
初出一覧
版元から一言
どれも短い物語(原稿用紙10枚ほど)ですが、心にしんと響きます。20の物語を読み終えたとき、そこには確かな「人生」が。
装画は安西水丸さんの作品「水仙と貝殻」です。


