『オランジェット』 笠木拓
『オランジェット』
笠木拓 / 書肆侃侃房 / 四六判並製 / 192P
第一歌集『はるかカーテンコールまで』で現代歌人集会賞と高志の国詩歌賞を受賞した著者の第二歌集。
「笠木拓という作者は、こんなにもふとぶとと言葉と命を太らせ、命がけで言葉の「遊び」を尽くそうとしている。怖いな、と思う」(川野里子)
「どうがんばったって、世界は悲しい。だが、悲しい世界を生きていくとき、その悲しさを自覚していることは強さだと思う」(初谷むい)
【収録歌より】
濃くうすく色づきながら夏空は慣らし保育のように暮れゆく
きみといるといつもかもめが背景を奥へゆく なぜかな さよなら
てのひらに立てたるあわで面の皮すなわちメンズBB落とす
においから桜はひらきこの星にいつか途絶える観測史あり
うつつにもゆめにもひとのおもかげのたちあおいたちあおいたそがれ


