『リンチ(小説)』 羽鳥ヨダ嘉郎
『リンチ(小説)』
羽鳥ヨダ嘉郎 / いぬのせなか座 / B6並製 / 80P
「リンチ(戯曲)」を読む。
語り合う。上演を想像する。
その過程が生み出した、もうひとつの「リンチ」。
ある日、ある場所に集まった幾人かの人々が「リンチ(戯曲)」を読み進める。
「素人」「お袋」「和船」「待っていた人」「グヮン」「野次」「絵が来ちゃう」といった言葉たちを拾い上げ、戸惑い、考え、やってみ、思い出し、確かめ合いながら、様々を少しずつ立ち上げていく。
そこで問われるのは、単なる「正しい解釈」ではない。
誰が話しているのか。何がト書きで、何が内語なのか。
どこまでが舞台上の出来事で、どこからが夢や回想なのか。
そしてそれをどう演じうるのか。
――それらは読みのたびに揺れつづける。
次第にこの集まりそのものが、批評でも記録でもない、別の一篇の「小説」へと変わっていく。
約4万字の分量で描かれた固有の場、もうひとつの「リンチ」として。


