『ごく短い小説の研究 近現代日本掌編文学論』 斎藤理生

『ごく短い小説の研究 近現代日本掌編文学論』
斎藤理生 / 大阪大学出版会 / A5判上製 / 432P

「迅速尊重時代」の文学から20世紀をとらえる。
長編・短編を中心に語られてきた日本近現代文学史を、短編よりも短い小説、「掌編文学」から考察する。

1920年代半ばに流行した「コント」、新感覚派の試みとしての「掌篇小説」、プロレタリア文学の実践としての「壁小説」、国策文学としての「辻小説」、星新一を中心とした「ショートショート」……ほかにも、「原子小説」「四〇〇字小説」「けし粒小説」などの名ですがたかたちを変え、人々に親しまれてきた“ごく短い小説”掌編文学の百年を多角的に検証する。掌編文学を掲載するのに適したメディアであった新聞との関係も考察しつつ、太宰治、三島由紀夫、松本清張、村上春樹らの作品も具体的に論じる。

目次
はじめに―ごく短い小説との遭遇

第1部 近現代日本の掌編文学―コントを中心に
第1章 日本掌編文学史―100年の素描 
第2章 「コント」と「掌篇小説」の発生―1920年代中期
第3章 拡散するコント―1930年代を中心に
第4章 武野藤介論―「コントの神様」の執筆活動
コラム① 億良伸を探して―消えた「掌篇小説」の原点

第2部 掌編文学とメディア―新聞から
第1章 「ニユース小説」という試み―『時事新報』と文学者
第2章 戦後の新興地方紙と掌編文学
第3章 戦後の全国紙と掌編文学―特集を中心に
コラム② 「コント」の終わりに―『日本経済新聞』『中部日本新聞』の特集

第3部 掌編文学を読む
第1章 太宰治『あさましきもの』―再帰的構造
第2章 織田作之助『実感』―掌編文学の生成
第3章 坂口安吾『復員』―凝縮された内面の劇
第4章 杉山平一『お菓子』『軌道』―ジャンルの境界
第5章 三島由紀夫『恋文』『日食』―被占領下のメディアのなかで
第6章 松本清張『「過去の女」報告書』―長編への助走
第7章 村上春樹『ことわざ』―言葉の手ざわり

おわりに

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