『男たちの知らない女 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの二つの生涯』ⅠⅡ巻 ジュリー・フィリップス
『男たちの知らない女 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの二つの生涯』ⅠⅡ巻
ジュリー・フィリップス 著 / 北川依子 訳
国書刊行会 / 四六変型判 / Ⅰ.444P,Ⅱ434P
べつの誰かになったときにのみ、彼女は自身の真実を語ることができた。
エイリアンについて書くときにのみ、彼女は自分の身体や経験を語ることができた――
『たったひとつの冴えたやりかた』などの名作で知られる伝説のSF作家、初の決定版伝記。
波乱に満ちたドラマチックな生涯を追った傑作ノンフィクション!
◎2006年全米批評家協会賞、2007年ヒューゴー賞、ローカス賞受賞
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアは1968年、鋭利な作品群とともに突如SF界に現れた。男性的な文体で技巧を駆使した傑作を立て続けに発表し、「接続された女」「愛はさだめ、さだめは死」がヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞、現代SFのトップを走る特異な天才作家として活躍する。しかし、その正体は謎に包まれていた。
1976年、彼がヴァージニアに住む61歳の女性であることが明らかになり、SF界に衝撃を与える。彼女、アリス・ブラッドリー・シェルドンは1915年シカゴ生まれ、幼少期から小説家の母に連れられてアフリカの冒険旅行に参加、画家・陸軍隊員・CIAエージェント・実験心理学者……と転身を遂げた、驚くべき経歴の持ち主だった。
そして87年突然凄絶な最期を遂げ、世界に新たな衝撃を与えるが、SFの頂点をきわめた伝説的作品群は今も読みつがれている。
みずからのジェンダーとセクシュアリティをめぐる葛藤に苦しみながらも、野心にあふれ、時代のはるか先を歩んだ女性――本書はその矛盾に満ちた二つの人生を、日記・書簡など厖大な未発表資料と関係者への綿密な取材をもとに詳らかにする、比類なき作家の決定版伝記である。
【Ⅰ目次】
序章 ティプトリーとはだれ? いかなる人物?
第一章 無垢な女冒険家
第二章 アフリカ(一九二一~二二年)
第三章 子供時代
第四章 家庭の食人種(一九二四~二五年)
第五章 有名人(一九二五~二八年)
第六章 女子校(一九二九~三〇年)
第七章 デュ・モーリアのヒロインのごとく(一九三一年)
第八章 野心(一九三一~三三年)
第九章 「彼女に普通の生活を送るよう説得するのはとても不可能だとわかった」(一九三三~三四年)
第十章 愛のトラブル(一九三五~三六年)
第十一章 セックスと議論(一九三六~四〇年)
第十二章 戦争の熱気(一九四一~四二年)
第十三章 デモイン駐屯地(一九四二~四三年)
第十四章 ペンタゴンの地下で(一九四四年)
第十五章 ティング(一九四五年)
第十六章 地下に潜る(一九四六~四七年)
第十七章 ニュージャージーで鶏の孵化場を経営する(一九四八~五二年)
第十八章 諜報機関(一九五二~五五年)
第十九章 失踪と帰還(一九五五年)
第二十章 見ることを学ぶ(一九五六~五九年)
第二十一章 女性とともに(一九五〇年代)
第二十二章 博士号取得前奨学金第一〇九〇七番(一九六〇~六二年)
第二十三章 ネズミの科学(一九六三~六七年)
原註
【Ⅱ目次】
第二十四章 作家の誕生(一九六七年)
第二十五章 ジキル博士とミスター・スポック(一九六八年)
第二十六章 ファースト・コンタクト
第二十七章 ユカタン半島(一九七〇年)
第二十八章 きこりのシャツで偽装したデカダンな知識人(一九七一年)
第二十九章 友情(一九七一~七三年)
第三十章 男たちの知らない女(一九七二年)
第三十一章 いまにも割れそうなグラス(一九七三年)
第三十二章 「ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?」(一九七三~七四年)
第三十三章 ブリキのロケット(一九七四年)
第三十四章 繊細な男(一九七四~七五年)
第三十五章 抑鬱(一九七五~七六年)
第三十六章 メアリーの死(一九七六年)
第三十七章 ティプトリー正体を現す(一九七六年)
第三十八章 わたしはまるで異星人の人工物のなかで生きるかのように、わたしの肉体のなかで生きている(一九七七年)
第三十九章 執筆再開(一九七九~八一年)
第四十章 愛はさだめ、さだめは死(一九八二~八七年)
謝辞
原註
訳者あとがき
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア作品リスト
参考文献
索引(人名・作品名)






