『彼女のカロート』 荻世いをら
『彼女のカロート』
荻世いをら / フィルムアート社 / 四六判並製 / 256P
※荻世いをら書き下ろし掌編特典付
※収録作「彼女のカロート」(『すばる』2010 年 7 月号)、「宦官への授業」(『文學界』2013 年 12 月号)
墓の手入れを仕事とする主人公は、ある女性アナウンサーから、新しい墓をつくってほしいと依頼される。それは死者のためではなく、まだ生きている彼女自身のためのものだった。実は耳が聞こえないという彼女とのどこか奇妙なやりとりは、やがて主人公の日常を静かに侵食していく― 。
★フィルムアート社から文芸の新シリーズ〈First Archives〉創刊!
倉本さおり・滝口悠生・町屋良平が選者となって、知る人ぞ知る傑作に再び光を当てます。
◎2000 年以降に文芸誌に発表され、読者から評価を得ていたものの、単行本化されていなかった「傑作」小説を連続して刊行するシリーズです。文学ファンのあいだで間違いなく大きな話題となります。
◎本書の選者 3 名による『文藝』(2025 年春季号)での座談会「文芸批評は断絶したか 小説の死後の未来」が話題となったり、町屋良平さんが 2005~15 年の文学を再評価する連載「小説の死後」が反響を呼んだりと、2000 年以降の小説の再評価の機運が高まっています。上記連載で町屋さんは「彼女のカロート」について、「ここまでの野心をもった小説が、ここまでの技術で結実されていながら、単行本にもならず、ひっそり埋もれてしまっていることに驚きを禁じ得ない」と評価しています。(「小説の死後 小説でしかない小説 荻世いをらの傑出」より)




