『夜明けと音楽』 イ・ジェニ
『夜明けと音楽』
イ・ジェニ 著 / 橋本智保 訳
書肆侃侃房 / 四六変形判並製 / 240P
「結局のところ物を書くというのは、よく知っている単語の中に、自分の悲しみを見つけること」
なくなったものの痕跡をたどり、孤独とともに創作する詩人イ・ジェニが綴るエッセイ集。
夜の闇に流れる、長く静かな時間に立ち上がる静謐な26編。
ある夜明けには涙のようにあふれる音楽について語り、またある夜明けには悲しみに満ちたプレイリストを思い出しながら詩を読む。
旅先で遭った不慮の事故、長いあいだ不眠症に悩まされたこと、ロックバンドで音楽に心酔していた二十代の頃のこと。
孤独とともに創作する詩人が、母の最期に立ち会い、イヨネスコやボードレールなど文人たちの足跡をたどり生まれた、詩と散文の境界を行き来するような言葉の記録。
ロングセラーエッセイ『詩と散策』(ハン・ジョンウォン)と並ぶ、“言葉の流れ”シリーズの代表作。


