『風に吹きはらわれてしまわないように』 リチャード・ブローティガン
『風に吹きはらわれてしまわないように』
リチャード・ブローティガン 著 / 松本淳 訳
筑摩書房 / 文庫判 / 192P
1979年夏、44歳の「作家」が、1940年代のアメリカ・オレゴン州での少年時代を振り返る。貧困の中での生存と気晴らし、池の端にソファやランプなど家具を並べて釣りをする夫婦、22口径の拳銃が起こす悲劇、少年の心に落とされた影……。幻想的な光景と死の匂い、風に吹きはらわれてしまいそうな人びとの姿を物語に描き、作者が生前最後に発表した小説。1985年に刊行され品切れとなった後、傑作と評価されながら入手困難となっていた『ハンバーガー殺人事件』を原題に沿って改題、訳者があらたに訳しなおし、復刊文庫化。
ブローティガンの作品の中で、わたしがもっとも愛しているのは
『アメリカの鱒釣り』と『芝生の復讐』と、
それにこの『ハンバーガー殺人事件』である
―藤本和子(『リチャード・ブローティガン』より)


