『割れたグラス』 アラン・マバンク
アフリカ文学の愉楽
『割れたグラス』
アラン・マバンク 著 / 桑田光平 訳
国書刊行会 / 四六変型判上製 / 288P
現代アフリカ文学の最前線を紹介する、新海外文学シリーズ《アフリカ文学の愉楽》創刊!
小社の海外文学路線を切り拓いた《世界幻想文学大系》、のちのブームを決定づけた《ラテンアメリカ文学叢書》の刊行開始から約半世紀。
これまで日本で語られることの少なかった20世紀後半から現代までの芳醇なアフリカ文学の世界を本格的に紹介すべく、そして遠く離れた日本の読者が抱くアフリカへの印象をより豊かなものとすべく、《アフリカ文学の愉楽》が刊行開始!
第1回配本は、現代アフリカ文学随一のヒップスター、コンゴ共和国出身のアラン・マバンクによる代表作!
コンゴ共和国の港湾都市ポワント=ノワールの下町にあるバー"ツケ払いお断り"。
バーの主人《頑固なカタツムリ》からの依頼で、《割れたグラス》はバーとその常連客たちとの日々を思いのまま1冊のノートに書き留めていくことになる。
何枚ものオムツを穿いた《パンパース男》、フランスかぶれの寝取られ《印刷屋》、誰よりも長く放尿できると豪語する《蛇口女》など、いずれ劣らぬ酔客たちの奇怪な逸話が次々とノートに綴られていく。
やがて、《割れたグラス》は自身についても書きはじめるのだが……。
作家としてはじめてコレージュ・ド・フランスの招聘教授に着任、また国際ブッカー賞の選考委員を務めるなど、現代アフリカ文学の最重要作家のひとりとして活躍の場を世界的なものへと広げている、アラン・マバンクが放つ驚異の傑作がいまここに!
フランコフォニー五大陸賞をはじめ数々の文学賞を受賞、ルノドー賞最終候補作にして、英国ガーディアン紙が選ぶ「21世紀の100冊」にも選出された、酔いどれたちのめくるめく狂想曲!
◉《アフリカ文学の愉楽》全6巻◉
【編集委員】
粟飯原文子、桑田光平、中尾沙季子、中村隆之、福島亮
◆アラン・マバンク(コンゴ共和国)
『割れたグラス』桑田光平 訳
『ヤマアラシの回想』桑田光平・福島亮 訳
◆ミア・コウト(モザンビーク)
『夢遊の大地』伊藤秋仁 訳
◆サミ・チャック(トーゴ)
『エルミナ』福島亮 訳
◆レオノラ・ミアノ(カメルーン)
『影の季節』粟飯原文子 訳
◆アクウェケ・エメズィ(ナイジェリア)
『フレッシュウォーター』粟飯原文子 訳