『上林暁の本 海と旅と文と』 山本善行 編 / 鈴木理策 写真
『上林暁の本 海と旅と文と』
山本善行 編 / 鈴木理策 写真
夏葉社 / 四六判上製 / 240P
美しい写真と、美しい文章で表した、文学の生まれる場所。
心を病んだ妻を見つめ、のちに脳溢血によって半身不随となったあとも、震える左手で小説を書き続けた上林暁。
本書『海と旅と文と』はその作家の波乱に満ちた生涯と作品を紹介する、読み応えたっぷりの「作家案内」です。
冒頭の32ページでは、写真家・鈴木理策さんが作家の故郷である高知県の海沿いの町を撮影。
その他、上林の小説が4本、震える手で書いた直筆原稿が12ページ、全小説集案内、木山捷平、野呂邦暢、関口良雄らが書いたエッセイが掲載。
編者は、夏葉社が刊行してきた上林暁の3冊と同じく、京都の古書店善行堂の山本善行。
ずっと大切にしたくなる、美しい一冊。